【オルケストえいがカレンダー  平成29年4月18日】

おはようございます!

本日ご紹介するえいがは配信中のセルフドキュメンタリー『左舞い』です。

この『左舞い』ですが、ひとことで表すと「人の奥側ってちょっと重い、でもなんだろこの爽快感、を味わえる映画」と言えるかと思います!『これだけで見たい!と感じた方は本編をぜひご鑑賞ください。37分です。https://orquest.jp/videos/hidarimai

まだ、どんな作品かイマイチよくわからない!という方は、以下の作品紹介をお読みください!

<作品紹介と感想>

冒頭、映画のタイトルである「左舞い」という文字と木村文昭という監督の名前が書かれたキャンバスノートが映る。

これが本作のタイトルクレジットだ。

のっけからちょっと拍子抜け。なんともチープ感満載。

映画と言えばかっこいいオープニングが必要!字体もこだわっておしゃれにかっこよくというのが基本!そんな考え方の真逆である。続いて、監督である木村さんがカメラの前で自己紹介をはじめる。そこで、この作品が自分の家族に関する映画であることを述べる。

すべては、半年前に離れて暮らすギャンブルに狂い一人で実家に住む父が倒れて、市役所から電話がかかってきたことに端を発するということが分かる。

父親との昔話をひとり話しながらビデオカメラを片手に夜道を歩く木村さんは、母親とともに10年振りにゴミ屋敷と化した実家へ向かうのだ。

木村さんの母親が面白い。痛快なキャラクターで見ていて飽きない。ゴミ屋敷を片付ける母親と、その姿をカメラに収めながら、父親とのなれそめについてインタビューする木村さん。少し恥ずかしがりながらもそれに答える母親。

この親子の会話を聞いていると、どんな人にも生きてきただけの時間の積み重ねがあり、人には歴史があるという当たり前のことをしみじみと感じずにはいられない。

そして、結局一回も映画には登場しない、「優しくて昔は几帳面であったギャンブル狂いの倒れた父親」とは、一体どんな人なのだろうという想像が膨らむ。

よくよく考えてみると、この作品で伝えたいことのすべては冒頭のタイトルクレジットに表されているのではないか。キャンバスノートに書かれた文字は、お世辞にもキレイとは言えないが、木村さんの手書き独特の温かみがあり、素直で偽りの無い飾らない素朴さが閉じ込められているのだ。

かっこつけることが生きることじゃない。みっともない姿をさらして人は生きていく。そうした静かなる自己主張を感じさせた。
そして、全編を通してみて観ると、改めてタイトルクレジットの安っぽさが頷ける。

「左舞い」は、見せかけはチープだが、映画で描かれる中身は、社会や家族の中で生きる、孤独な人間という存在についてのディープな考察だ。

どちらかというと重たいテーマだが、見終わったあとは不思議清々しい気持ちになる。

ぜひ体験してみて欲しい。と青空が広がる感じ!

『左舞い(2013年)』 / 37分
https://orquest.jp/videos/hidarimai

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